あの戦いで何を失ったのか、何を得たのか…。
僕は思い出の場所に立っている…。
僕、アキラこと千葉旭の小学1年からの幼なじみで、ずっと一緒に過ごした親友…
ナギとアキラ、それからモトオ、ミト、ヨーコら14歳の夏をむかえた「レミングス」の仲間たちは新天地を目指して全力で戦った…。
茨城県取手市・牛久市を中心として、つくば市、つくばみらい市において地元の支援を受けて製作された映画『レミングスの夏』がついに完成した。 原作は江戸川乱歩賞に輝いた取手市在住の作家・竹吉優輔の「レミングスの夏」。 せつなくて苦い、ひと夏の思い出がよみがえる青春ミステリー。 2016年10月11日に取手市でおこなわれた完成上映会には1100人が参加。
光がある。影がある。
暗闇に差し込む光は眩く、時空の裂け目のように記憶を浮き立たせる。
それをともにあびる青春がある。
レミングスたちは、ズキズキ痛む傷口のような「ひっかかり」を舐めるように行動した。
大人社会の「善悪」を超えて。
レミングスたちが語る「新天地」とは、何だろうか。それを考え続ける98分間。
呼吸を止めるように観た後、私はようやく息を吐いた。
そして、観た人それぞれに「新天地」が広がっているにちがいないと思った。
デビュー作の「モノクロームの少女」から変わらない、強く握りしめたら壊れてしまいそうな人の気持ちを描いてきた五藤監督の新たな世界を見た。