あの夏、僕らには誰にも言えない秘密があった。

あの戦いで何を失ったのか、何を得たのか…。

僕は思い出の場所に立っている。

僕、アキラこと千葉旭の小学1年からの幼なじみで、ずっと一緒に過ごした親友… 

ナギとアキラ、それからモトオ、ミト、ヨーコら14歳の夏をむかえた「レミングス」の仲間たちは新天地を目指して全力で戦った…。

子供をハサミで切りつける「ハサミさん」が現れるという奇妙な都市伝説が小学生の間に広まっていた2010年、取手の街。悲しい過去を持つ幼なじみの5人はある計画のため、自らのチームを集団で新天地を求め移動するネズミにちなんで「レミングス」と名付けた。中学2年生の夏、自分たちのしようとしていることは正義なのか、ただの犯罪なのか?葛藤にもがきながら少年達はついに人生を賭けた計画の実行を決意した。たった一つの目的のため、6年もの歳月をかけて入念に練られた計画は学校、警察、市長をも巻き込んで動き出す。

現在と、2010年のあの夏の話、そしてさらに遡ること6年前の小学2年生の夏が交錯しながら核心に迫っていく。